会長。私と恋のゲームをしてください。
放課後。

高橋家までの帰り道を会長と歩いている。

階段から落ちたときに打った背中の痛みは、だいぶ良くなってきて、自力で動けるくらいになった。


会長はずっと心配してくれていた。

会長だけでなく、彩菜先輩も理樹くんも。

だから、今日の生徒会の仕事は明日にまわすことになった。


それと。

生徒会メンバーには、私と会長が付き合うことになった、と報告した。

2人は『おめでとう』と言ってくれた。


会長に対する彩菜先輩の気持ちも聞いた後だったから、少し複雑だったけれど、彩菜先輩は自分のことのように喜んでくれた。

祝福してもらえるのってこんなに嬉しいんだな、と改めて実感した。



「北澤」



不意に会長に名前を呼ばれる。



「はいっ!?」



声が裏返った。

恥ずかしい。

完全に自分の世界に浸っていた。



「さっきから、ぼーっとしているな」

「それはっ、」

「それは?」



会長と付き合える幸せを噛み締めていた、なんて言えない!
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