会長。私と恋のゲームをしてください。
悩んだ結果。

私はゲームの誘惑に負けた。


ゲーム機を起動させて“ファイツ”を開く。

自分のキャラクターが現れる。

この女神のキャラクター、久しぶりに見たなぁ。


画面を見つめていると、ピコン、とメッセージが届いた。


誰だろう……?


ハルくんともパートナー解除したし、私にメッセージを送る人はいないと思うんだけどな。

疑問に思いながらメッセージを開くと。



『ユキ』



メッセージを送ってきたのはハルくんだった。

私はメッセージを開いたまま固まってしまった。


返事を返すべきか、スルーすべきか。


悩んでいると、ハルくんからパートナー申請が届いた。



『許可しますか?』



手が止まる。

もう、“ファイツ”はやめるって決めたのに。

会長のことが好きだから、オンラインゲーム上だとしても男の人と関わらないって決めたのに。


“ファイツ”にログインしたことを今更ながらに後悔する私。


……パートナー申請は見なかったことにしよう。

うん。

それが賢明だ。


“ファイツ”をログアウトしようとしたそのとき。
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