会長。私と恋のゲームをしてください。
「きたざ、わ……」



朝から抱きしめられるって心臓に悪いっ!

見たことのない会長の姿にドキドキが止まらないし!

寝ぼけている割に、力が強いし!



「会長っ」



会長の腕の中でもがいていると、だんだん目が覚めてきたのか。



「なんでここに……」



腕の中にいる私に驚きの目を向ける会長。 

状況が読めたのか、腕の力が弱まったのが分かる。



「そういや昨日……」



会長いわく、眠ってしまった私を、私の部屋のベッドで寝かせようとした。

だけど、勝手に部屋に入っていいものかと悩んだ末、自分の部屋のベッドで寝かせた、と。



「ありがとうございます……」



この状況に対する恥ずかしさから、私は会長の部屋を飛び出した。

階段を下りて洗面所に向かう。


思わず飛び出してしまったけど、あとでお礼を言っておこう……。


私は顔を洗って、心を落ち着かせた。
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