会長。私と恋のゲームをしてください。
「連れてきたぞ」

「おう。悪かったな」



会長が定位置の席に座っている。

偉そうにふんぞり返って。

まるでラスボス。



「宮野さんはどうした?」



理樹くんが会長に尋ねる。

確かに、彩菜先輩がいない。

生徒会室に呼ばれたから、てっきり全員が揃っているのかと思った。



「今日は来ない」



会長が当たり前のことのように言う。

彩菜先輩が呼ばれていないってことは、生徒会の仕事はないってこと?



「……なんで私が呼ばれたんですか?」

「理由はない」



理由はないって……。

仕事もなくて、理由もなくて呼ばれたの?



「教室に戻ってもいいですか?」

「あ?」



会長が私を睨んでくる。


怖い。

会長に睨まれながらここでお昼を食べるより、ひとりでお弁当を食べたほうがマシ。



「ダメだ。ここで食え」



なんで。

会長にそんなこと決められなきゃいけないの。


私が反論しようとすると、理樹くんの背中で目の前が見えなくなった。

理樹くんが私と会長の間に入ってくれている。


味方してくれているのかなぁ、って思った。

思ったのに。
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