会長。私と恋のゲームをしてください。
「わざとぶつかったんでしょ!?」



私に罵声を浴びせる女の人は。

私を階段から突き落とした人だった……。


大きな声を出して注目を集める2人の先輩。

あの恐怖がよみがえって、何も言えなくなってしまう私。


ざわざわと私たちの周りを囲む知らない生徒たち。



「こいつが! わざとぶつかってきた!」



嘘。

私、そんなことしていない。

ぶつかってなんかいない。


だけど、声が出なくなってしまった私は周囲の人に冷ややかな目で見られた。

野次馬のように、さらに人が集まってくる。



「生徒会書記じゃん」

「サイテーじゃね?」

「いじめられているんだろ?」



嘘と事実が混ざり合う。


怖い。

立っていることが出来ないくらいに足が震え始めた。


この場から、逃げる?

逃げたい。

逃げたいけど足が震えて……。



「消えろよ」



見ず知らずの人からの言葉が頭を占領する。
< 224 / 287 >

この作品をシェア

pagetop