会長。私と恋のゲームをしてください。
生徒たちが自分の教室に戻っていく。


ひとつの疑問を残して……。

“会長と生徒会書記は、付き合っているのか?”と……。


だけど、今、その疑問を追及する生徒はいなかった。


2人組みの女子生徒も教室に戻ろうとしている。

この騒ぎのきっかけとなった、2人……。


戻ろうとする2人を呼び止めたのは会長だった。



「こいつを階段から突き落としたのは、お前たちか?」



ストレートに聞くんだ……、と驚く私たち。

会長の言葉に肩を跳ねさせた彼女たちに、確信を持つ会長。

会長の目が鋭くなっていく。

彼女たちも、さすがに言い訳できないと思ったのか。

2人で顔を見合わせて観念した様子だった。



「すみませんでしたっ」



頭を下げる彼女たち。

そんな彼女たちに向かって会長は。



「誰に向かって頭下げてんだ」



……私も同じこと思っていた。

彼女たちは会長に向かって頭を下げていた。


気持ちは分からなくもないけど。

会長の眼力というか、圧に負けて思わず謝りたくなる。
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