会長。私と恋のゲームをしてください。
「謝る相手が違うだろ」



会長の声がさらに低くなった。

縮こまる彼女たち。



「ご、ごめんね!」

「写真、バラまいたことも悪気はなかったの!」

「あとで、下駄箱もきれいにしておくから!」



ごめんなさい、とひたすら頭を下げている彼女たち。

今まで起こっていること全てを、勢いよく話してくれる。

全部話してくれるのはありがたいけれど。


この人たちが原因で、私はいじめられたのか、と思うとなんとも言えない感情になる。

目の前で頭下げているけれど、本気で謝っているとも思えない。

会長たちの眼力が怖くて、謝っているだけのように感じてしまう。



「全校生徒に写真をバラまいたことについてだけど……。どうやって全校生徒の個人情報を集めたのかしら?」



彩菜先輩の質問にビクッと反応する2人。

彼女たちは顔を見合わせてから数秒後、口を開いた。



「以前、会長と北澤さんが2人で空き教室に入っているのを見て……」

「そこに、こっそり入ったら全校生徒の連絡先があったので……」



あのときのこと、見られていたのか……。


でも。



「あの鍵は会長しか持っていないはずなのに」



素直な疑問だった。

生徒会の資料が沢山ある部屋の鍵をどうやって手に入れたのか。


会長も疑問に思っていたんだろう。

睨む会長に、半泣き状態の2人。
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