会長。私と恋のゲームをしてください。
私は生徒会のメンバーに向かって頭を下げた。



「助けてくれてありがとうございます」



みんなが来てくれていなかったら、私はどうなっていたのだろうか。

そう考えると怖いけど。

だけど、来てくれたから。

守ってくれたから。


私は、今、笑っていられる。

半分、泣きそうだけど。



「なに泣きそうな顔してんだ、バカ」

「美雪ちゃん、ハンカチ使う!?」

「最後は北澤さんらしいわね」



ほら。

こうやって、私のことを“私”として見てくれる人たちがいる。

それが嬉しくてたまらない。


理樹くんに差し出されたハンカチ。

それを受け取ると、涙のダムが崩壊。

ハンカチで涙を拭いていると、会長が頭を撫でてくれた。


やっぱり、生徒会メンバーのことが大好きだ。



「そういや、今日のミーティングの内容は?」



理樹くんが会長に尋ねる。


そうだ。

文化祭について話すって言っていたのに……。


時計を見れば、昼休み終わりまで10分だった。
< 234 / 287 >

この作品をシェア

pagetop