会長。私と恋のゲームをしてください。
「手短に話す」



会長の言葉に頷く私たち。



「今年の文化祭も、“ミスコン・ミスターコン”を開催することになった。その準備を進める」



ミスコン、ミスターコンかぁ。

私には無縁の話だと思っていたけれど、生徒会として関わることになるとは……。


それと。

会長と彩菜先輩は、絶対候補者に選ばれるよね。

昨年のミスコン・ミスターコンに2人の名前があがっていたような。

興味がなかったから、しっかりとは覚えていないけれど。



「宮野は司会進行。理樹は会場作り。北澤は候補者の推薦シート作成だ」

「春馬くんは全体サポートかしらね」

「ああ。みんな、頼んだ」



会長の言葉に頷く私たち。



「北澤。推薦シートは明日までに終わらせろ」

「はいっ」



明日まで……。

推薦シートを作って、全校生徒分コピーすればいいんだよね。

少し緊張する。

間違いのないように、頑張ろう。


気合を入れなおしていると、会長が私を見て笑った。



「俺もやるから、緊張しなくていい」



会長は私の心の中を見透かしているようだった。


バレバレな私の心。

見透かされたのは恥ずかしかったけど、会長はやっぱり頼もしい。
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