会長。私と恋のゲームをしてください。
「北澤。集計、終わったか?」



集計が終わり、少し休憩している私に会長が問う。

私は慌てて姿勢を戻し、1枚のプリントを持って会長のそばへ行く。



「集計結果です」



私はプリントを会長に手渡す。

プリントを受け取った会長は、眉をひそめた。



「ミスコンに宮野が出場か……」



困った顔をする会長。

頬杖をついて、悩みだしている。



「宮野が出場となると、司会進行役がいなくなるな……」



……確かに。

彩菜先輩がステージの上に立つのであれば、司会進行ができなくなる。


私と会長が悩んでいると、ガチャッと生徒会室の扉が開いた。

振り向けば、彩菜先輩が一仕事終えた様子で、生徒会室に戻ってきた。

ちょうどいいタイミング。

会長も同じことを思ったのか、彩菜先輩を呼ぶ。



「……と、いうことで、司会進行役がいない」



会長が彩菜先輩に説明してくれる。

その説明を聞いて、彩菜先輩も悩んでいる様子。



「全校生徒の気持ちも嬉しいけれど、私が出場したら、司会進行がいなくて困るわね」



彩菜先輩が司会進行をしてくれたら盛り上がると思う。

だけど、全校生徒からミスコンの候補者に選ばれたのだから、ステージに出場して欲しい。
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