会長。私と恋のゲームをしてください。
着いた場所は体育館。

すでに、理樹くんと彩菜先輩がステージ下で打ち合わせをしていた。



「悪い。待たせた」

「ごめんなさい」



謝る私たちに、目を見開く理樹くんと彩菜先輩。



「美雪ちゃん、その格好……」



固まる理樹くんに、苦笑いの私。

会長のブレザーを借りていても、コスプレしていることは分かっちゃうよね。



「クラス店の衣装のまま来ちゃった」

「似合っているね」



理樹くんが褒めてくれる。

会長はそんな私たちの会話を聞いているのか聞いていないのか、打ち合わせを進め始めた。


……少しくらい、ヤキモチ妬いてくれてもいいのに。


そう思ってしまう私の心には、悪魔が住み着いているのかもしれない。
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