会長。私と恋のゲームをしてください。
「春馬。グランプリおめでとう」

「……?」



突然の展開に戸惑う私たち。



「ミスコン・ミスターコンのグランプリ同士が“お似合いの2人”なら」



理樹くんは、マイクを持っていない片方の手で、私の首に手を回し引き寄せた。

バランスを崩した私は理樹くんの体にすっぽり収まった。



「俺たちも“お似合いの2人”じゃない?」



おおっ、と会場のみんなが反応する。

だけど、それ以上に反応したのは会長だった。

ものすごく鋭い目で理樹くんを睨んでいる会長。



「美雪ちゃんからネックレスも貰ったし?」

「それはっ、」



否定しようとする私の口を手でふさぐ理樹くん。


この状況はいろいろ、まずいんじゃ……。


彩菜先輩をはじめとする、ミスコン出場者も唖然としている。

出場者より、目立っている私ってどうしたらいいの?


会長が動く。

動いたと思ったら、会長は私の腕を掴んでいて。

きゃぁあああ、と会場が悲鳴に近い声に包まれる。



「春馬。ぼやっとしていると、美雪ちゃんはもらうからね?」



理樹くん!?

なに言っているの!?
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