会長。私と恋のゲームをしてください。
ミスコン・ミスターコンはなんとか、無事に終わった。


彩奈先輩は『小悪魔になれたわね』って言ってたけど……。

結局、彩奈先輩が言っていた『女の子は小悪魔』の意味は分からなかった。


盛り上がりを見せた文化祭は後夜祭を迎える。


校庭に集まる生徒たちを、生徒会室から眺める私と会長。


あ、彩菜先輩と理樹くん、発見。

校庭でみんなを盛り上げてくれている。


そんな姿を窓から眺めている私を、後ろから会長が抱きしめる。



「北澤……」



会長が何か言いかけたとき、校庭からカウントダウンが聞こえ始めた。

カウントダウン終了とともに、空高く打ちあがる花火。



「会長っ。はな、び……」



振り返って会長の顔を見上げた瞬間。


ちゅっ。


会長の唇が私の唇に触れる。

とても温かい時間だった。


私はそっと目を閉じ、この幸せを噛み締めた。


しばらくして、唇が離れる。



「好きだ」



会長が微笑んだ。


私の首元に、会長が顔をうずめる。

好きだ、と何度も伝えてくれる会長。

……くすぐったい。



「私も。好きです」



伝えずにはいられない、この気持ち。

私を選んでくれてありがとう……。
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