会長。私と恋のゲームをしてください。
肩の力がもう一度入る。

リビングに近づいてくる足音。

それと同時に、楽しそうな笑い声が聞こえた。


会長と目を合わせて、首をかしげる。


……リビングに入ってきたのは、会長のお母さんと親しげに話す両親だった。



「お母さん、お父さん……」

「美雪」



私に抱きついてきた、お母さんとお父さん。

久しぶりの家族再会だ。



「感動するわねぇ」



会長のお母さんが微笑んでいるのが見えた。

しばらくして、お母さんとお父さんが私から離れる。



「……娘がお世話になりました」



私の両親が、会長の両親に向かって頭を下げる。


その姿は、“親”としてのけじめに見えた。

私も頭を下げようとしたそのとき。



「やだぁ。そんな、頭下げないでよ。高校時代からの付き合いじゃない!」



えっ……。

会長の顔を見れば、会長も驚いた顔をしていた。


もしかして、私と会長の両親って。



「高校の同級生?」



会長が私の聞きたかったことを代弁してくれる。

それに返ってきた答えは。



「違うわよー。生徒会の仲間!」



お母さんとお父さんは、出身地は違うけど同じ高校だって、昔聞いたことある。

その高校で、会長の両親と生徒会を任されていたの!?


偶然にもほどがある……。


驚きを隠せない、会長と私。
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