会長。私と恋のゲームをしてください。
「あの」



私の部屋はどうする、とか、部屋はどうする、とか話している会長と夏樹ちゃん。

そんな2人の会話をさえぎる私。

2人とも同時に私を見るから、心臓が飛び跳ねた。

だって、イケメンに属される会長と、可愛らしい夏樹ちゃんに目を向けられるって緊張する。



「会長と夏樹ちゃんのご両親は、私が泊まることに反対しないですか?」

「しないだろ」



即答する会長。

あまりの返答の早さに、驚いた。



「お父さんとお母さん、長期海外出張しているから、ほとんど帰ってこないんだよ!」



明るく答えてくれる夏樹ちゃん。

だけど、その表情は、少し寂しそうに見えた。



「そっか」



それしか言葉が見つからなかった。

両親の元から離れた私には、夏樹ちゃんや会長の寂しさとかは分からないから……。
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