会長。私と恋のゲームをしてください。
「なんで、いつも三つ編みなんだ?」

「え……?」



気がつけば、会長は私の目の前に立っていた。

また心臓の音が早くなっている。

鼓動の早さに気づかれないように、私は会長に言葉を返す。



「……結ばないと邪魔ですから」



毛先をなんとなくいじる私。

そんな私の頭に重みがかかる。


え、と……。

会長の手が、私の頭の上にのっている……?


落ち着きかけた鼓動が再び早くなる。



「しばるな。……そっちのほうが可愛い」

「かわっ、」



可愛いとか言われたことがないから、どう振舞っていいのか分からなくなる。

顔が熱くなっていくのが、嫌でも分かる。

会長の手が、頭からゆっくりおりてきた。

頬を包み込むように会長の手が触れている。



「……熱いな」



会長のせいです……。


それは言葉にならなかった。


だって。

会長は、いじわるく、そして優しく微笑んでいたから。

きれいな微笑みを見せられたら、何も言えなくなる。


ずるいよ……。
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