会長。私と恋のゲームをしてください。
「おまたせ」
夏樹ちゃんは小さな机の前で、ちょこん、と正座をしていた。
私は夏樹ちゃんの後ろで立ち膝をする。
机の上に置いたブラシを手にとって、髪の毛をとかしていく。
「美雪ちゃん」
少し元気がないような夏樹ちゃんの声。
私が夏樹ちゃんの部屋を出た一瞬の間に、なにかあったのだろうか。
「どうしたの?」
私はブラシを机の上に置いた。
「私って、男の子みたいかなぁ?」
そんなことないのに。
夏樹ちゃんは、どうしてそう思ったのだろう。
「部活の規則で髪の毛を短くしてから、クラスの人たちから、からかわれるの。……“男の子みたい”って」
髪の毛をいじりながら、夏樹ちゃんの話を黙って聞く私。
「本当は可愛いものが大好きなのに。だけど、教室で男の子みたいに振舞っちゃう自分がいるの」
「そっか」
「好きなものを好きって言えないの。男の子みたいな私が、女の子らしくしたら、もっとからかわれる……」
その声はどんどん小さくなっていく。
夏樹ちゃんは夏樹ちゃんなりに悩んでいることがあるんだね。
髪の毛を整え終えた私は、夏樹ちゃんの肩にぽんっと、手を置いた。
夏樹ちゃんは小さな机の前で、ちょこん、と正座をしていた。
私は夏樹ちゃんの後ろで立ち膝をする。
机の上に置いたブラシを手にとって、髪の毛をとかしていく。
「美雪ちゃん」
少し元気がないような夏樹ちゃんの声。
私が夏樹ちゃんの部屋を出た一瞬の間に、なにかあったのだろうか。
「どうしたの?」
私はブラシを机の上に置いた。
「私って、男の子みたいかなぁ?」
そんなことないのに。
夏樹ちゃんは、どうしてそう思ったのだろう。
「部活の規則で髪の毛を短くしてから、クラスの人たちから、からかわれるの。……“男の子みたい”って」
髪の毛をいじりながら、夏樹ちゃんの話を黙って聞く私。
「本当は可愛いものが大好きなのに。だけど、教室で男の子みたいに振舞っちゃう自分がいるの」
「そっか」
「好きなものを好きって言えないの。男の子みたいな私が、女の子らしくしたら、もっとからかわれる……」
その声はどんどん小さくなっていく。
夏樹ちゃんは夏樹ちゃんなりに悩んでいることがあるんだね。
髪の毛を整え終えた私は、夏樹ちゃんの肩にぽんっと、手を置いた。