会長。私と恋のゲームをしてください。
「彩菜先輩と理樹くんは?」

「帰った」



会長の言葉に耳を疑う。


帰った、だと?

手伝うって言ってくれたのに!



「というか、帰らした」



前言撤回。

会長のせいだったか。

私がボーっとしている間に、2人を帰らせたのか。



目の前の資料の山。

今日、私、家に帰れるのかなぁ。

なんて、思ってしまう。



……諦めて生徒会の仕事に専念しますか。


気持ちを切り替えて、一番上の資料に手をかける。


あ、この資料、データ入力だ。

パソコンで打ち込まないと終わらない資料か。

会長が私に資料を押し付けた理由に納得した。

だって、彩菜先輩と理樹くん、パソコン使えないもん。


彩菜先輩は、根っからのお嬢様でパソコンの使い方なんて知らないみたいだし。

理樹くんは、機械音痴だもん。


生徒会の中でパソコンを使えるのは私と……。



「俺もやるから、早くしろ」



会長だけ。


会長は資料の半分を持ち、自分の席に戻る。

パソコンを立ち上げている会長と目が合った。
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