会長。私と恋のゲームをしてください。
「お兄ちゃんっ。お兄ちゃんっ!」



部屋を出た夏樹ちゃんは、勢いよく階段を下りていく。

そんな夏樹ちゃんに続いて、私もリビングへ向かう。


階段を下りて目に入った光景。

夏樹ちゃんが会長の前で笑っている姿。

そんな夏樹ちゃんを見た会長も満面の笑顔だ。



「見て! 美雪ちゃんにやってもらったの!」

「よかったな」



微笑む会長は、本当に夏樹ちゃんが大好きなんだなって思う。



「かわいいっ? 私、かわいいっ!?」



会長の前で、くるりとターンをする夏樹ちゃん。

そんな姿を見たら、誰だって思うよ。



「ああ。可愛いよ」



会長の言葉に、私も頷く。

嬉しそうな姿の夏樹ちゃんに、私も嬉しくなる。


今日は、朝から幸せを感じる。

階段の前で、2人を眺めながら微笑んでいると、急に夏樹ちゃんが振り返った。



「美雪ちゃん、来てっ!」



手招きをする夏樹ちゃん。

会長も頷いている。

そんな2人に近寄る私。



「美雪ちゃんは、かわいいもの好きっ!?」



そう聞いてくる夏樹ちゃんの言葉に私は頷いた。
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