会長。私と恋のゲームをしてください。
「そういうところ。自分が可愛いって自覚しろよ」



耳元で囁かれる言葉。

会長の熱い息が耳にかかる。

いつもは鬼会長なのに。

なんで今日はこんなに甘いの……?


ずっと抱きしめたままでいて欲しい。

そう思ってしまう自分がいる。

なんで、そう思うの……?



「きたざ、」

「着替えてきたっ!」



タイミングがいいのか悪いのか。

夏樹ちゃんの声が聞こえたと同時に、会長からぱっと離れる私。

思ったより簡単に離れることが出来た。

それが寂しいと感じてしまう私はなんなのだろう。



「朝ご飯!」



私を抱きしめていた会長。

会長に抱きしめられていた私。

その光景を見たのか見ていないのか分からないけれど、夏樹ちゃんは何事もなかったかのように食卓へついた。

会長は私から離れて、キッチンへ向かった。
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