会長。私と恋のゲームをしてください。
せめて、“同居”と言って欲しかったなぁ。

同棲って、なんか恋人みたいじゃん。


私は突っ込みたい気持ちを抑えて、深呼吸を1回してから答えた。



「私がお世話になっていることは、いつか気づかれることだと思います」

「じゃあ、公開同棲するって言う!?」



夏樹ちゃんが顔を近づけてきた。


美少女がこんな目の前にいる……。


じゃなくて!



「気づかれるまでは、秘密にして欲しいです」



いつか気づかれることは分かっている。

だけど、あの“会長”と同居しているってなったら、学校中に変な噂が広まってしまう。

私は“地味子”って言われ慣れているからいいけど。

会長は学校の王子様だから……。

地味子が王子様と同居しているってみんなに知られたら、会長が悪く言われてしまいそうだ。


それは防ぎたい。


そう思ったのに。



「ダメだ。隠すことはしない」



会長を見れば、眉間にシワを寄せて私を睨んでいる。


……睨んでいる?

なんで私が睨まれているの?


疑問でしかない。

しかも、同居していることを隠さないって……。


なんで?

……やっぱり疑問だ。
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