会長。私と恋のゲームをしてください。
「お前、なにをそんなに考えているのか知らねぇけど、」



会長が真剣な表情をする。

眉間のシワもなくなって、今は、なんていうか。



「俺がお前を守ってやるから、何も心配するな」



ナイトみたいに包み込むような温かさがあった。


“俺がお前を守る”

“心配するな”


そんなことを言われたら、首を横に振ることは出来なかった。



「分かったか?」

「はい……」



私の返事に納得したのか、会長は立ち上がり空になった食器を片付け始めた。



「私もやります!」



会長のまねをして、お皿を重ねる。

食器を片付けながら、会長の言葉を思い出す。


今まで、私にそんな言葉をかけてくれる人はいなかった。

こんな見た目っていうのもあるかもしれないけど。


会長はなにを思って、私を守ると言ってくれたんだろう。


そんなの、ドキドキを隠すのに精一杯になってしまうじゃんか。
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