会長。私と恋のゲームをしてください。
学校に着く。

生徒の姿はほとんどなく、多分始業のチャイムを教室で待っているんだろう。

全力で走ったけど、結局遅刻。

会長と2人で生徒指導の先生に、少しだけお叱りを受けた。


次から気をつけるように。


その一言で開放されたから良かった。

会長の隣を歩きながら、教室へ向かう。



「昼休み。今日も生徒会室に来い」



階段での別れ際に言われた言葉。

仕事でもあるのかな、と思ったけど、会長の様子からして仕事はなさそうだ。



「分かりました」

「おう。じゃあ、昼休みな」



会長は片手を上げて、3年生の教室に向かっていった。


私も早く教室に行こう。


駆け足で教室に行くと、ホームルームが始まっていた。

ガラリとドアを開けた私に、クラスメイトの視線が集中する。


なにか、違和感がある。

いつもの視線じゃない。



「えーと。誰?」
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