会長。私と恋のゲームをしてください。
「生徒会書記になったときも、媚売っていたんでしょ」

「サイテーだよね」



聞きたくなくても聞こえてくる、悪口。


生徒会書記だって、入りたくて入ったんじゃないんだよ。

先生に推薦されて無理やり入らされただけ。

あんな美男美女ぞろいのところに入りたいなんて思っていない。


居残りで仕事することもあるし。

会長には怒られてばかりだし。

睨まれるし。


だけど……。

生徒会書記になって、悪いことばかりじゃなかった。


みんなより遅くまで居残りしたときは、私頑張っているな、って思えた。

私の仕事が誰かの役に立つなら嬉しいし。

自分のことを認めることができる瞬間でもあった。


私が“華の王室”と呼ばれる生徒会にふさわしくないことは分かっている。

だけど、その分仕事は頑張っている。

私だけでなく、生徒会のメンバーも一生懸命、学校のために生徒のために頑張っている。

だから、私も頑張りたいと思える。


生徒会のこと、何も知らないのに。
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