会長。私と恋のゲームをしてください。
「生徒会のやり方に異論がある奴は、直接言いに来い」



会長が抱きしめていた腕を緩める。

そのまま私の右手を取り、歩き出す。


左手で涙を拭く私。

会長が歩く道を作る生徒たち。


手を繋いでくれる、その手は温かかった。

後ろでこそこそ話している生徒たちの言葉なんて、もう耳に入らなかった。


こうやって、会長が守ってくれたから……。


少し前を歩く会長の背中を見つめる。


その背中は頼もしくて。

強く優しくて。

大切にしたいと思った。
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