会長。私と恋のゲームをしてください。
初めて口にした言葉。

生徒会のメンバーになったって、私にいいことはない、と勝手に決めつけていた。

だけど、今なら言える。


生徒会が大好きだ、って。


口にすればするほど、その気持ちが強くなっていく。

心が温まる。

自然と口角が上がる。

笑みがあふれてくる。



「北澤」

「はい」



会長が一歩、私に近づく。

距離が30センチ縮まる。

身長が高い会長の顔を見上げる私。



「触れても……、いいか?」



その言葉を理解するまでに時間がかかった。

意味が分かった瞬間、私の顔は一瞬で熱を帯びた。


会長は、私に触れたいって思ってくれているの?


心臓がバクバクしている。

触れられたら、私は恥ずかしくて会長の顔を見れなくなってしまう。


だけど、触れて欲しい……、と思う自分もいる。


私は、こくり、と首を縦に振った。

会長が、また一歩と近づく。

私と会長の距離は30センチもない。


会長の手が、私の頬にそっと触れる。

会長の手は温かかった。

包み込むように頬に触れてくれる。

それから撫でるように、頬から首へと手が下がっていく。
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