会長。私と恋のゲームをしてください。
くすぐったい。

誰かに触れてもらうってこんなにも気持ちがいいんだ。


でも、誰でもいいわけじゃない。

会長だから、こんなに温かくて幸せな気持ちになるんだ。


……会長は何を考えているんだろう。


そう思って会長の整った顔を見つめる。

パチッと視線が合う。



「あーっ。ダメだ」



会長の手が私から離れた。

離れたかと思えば、会長はきれいにセットされている、その髪の毛をわしゃわしゃと乱した。


小さく何かを呟いている会長。

なんて呟いているか聞き取れない。



「……理性が保てなくなる」

「えっ」



理性?

それって、どういうこと?


ハテナマークを浮かべる私。

目の前が真っ暗になったかと思えば、先ほどと同じ温もりに包まれる。



「可愛すぎて、抱きしめたくなる」



耳元でささやかれた言葉は、熱っぽくて。

とびきり甘かった。
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