『おばあちゃんの贈り物』-許嫁(いいなずけ)とか意味わかんない-
「…………」
身体の震えは止まったのに、身体の芯がじーんとしびれている。
とても声なんか、だせなくて。
返事のかわりに、ゾンビの胸に、ちょっぴりおでこを当ててみる。
とくんとくん
とくんとくん
聞こえる。感じる。
ゾンビの心。
「…………」
頭をなでてくれていたゾンビの手が、ふいに止まった。
「もうずっと先、おまえがおれをこわがっとった、こーんな小さな子どものころから、おれはおまえが好きやった」
う…そ。
「ばーさまだけが、知っとったんや」
「う……そ」
ゾンビの腕がゆっくり背中からはなれて、あたしの両肩の上で止まった。
公園のたったひとつの街灯からさす斜めの明かりで、半分影にうもれたゾンビの目は、見たこともないほど、やさしく光っていた。
肩に乗せられた手に少しずつ力が入る。
引かれている。
わかるのに、あたしの心は逆らわない。
身体はとうに逆らうのをやめていたから。
「……ぁ……」
あたしは、そのまま背中にまわった腕でまたやさしく抱きしめられていた。
身体の震えは止まったのに、身体の芯がじーんとしびれている。
とても声なんか、だせなくて。
返事のかわりに、ゾンビの胸に、ちょっぴりおでこを当ててみる。
とくんとくん
とくんとくん
聞こえる。感じる。
ゾンビの心。
「…………」
頭をなでてくれていたゾンビの手が、ふいに止まった。
「もうずっと先、おまえがおれをこわがっとった、こーんな小さな子どものころから、おれはおまえが好きやった」
う…そ。
「ばーさまだけが、知っとったんや」
「う……そ」
ゾンビの腕がゆっくり背中からはなれて、あたしの両肩の上で止まった。
公園のたったひとつの街灯からさす斜めの明かりで、半分影にうもれたゾンビの目は、見たこともないほど、やさしく光っていた。
肩に乗せられた手に少しずつ力が入る。
引かれている。
わかるのに、あたしの心は逆らわない。
身体はとうに逆らうのをやめていたから。
「……ぁ……」
あたしは、そのまま背中にまわった腕でまたやさしく抱きしめられていた。