『おばあちゃんの贈り物』-許嫁(いいなずけ)とか意味わかんない-
16年間無口だと思っていたお父さんは、政治や経済の話ができる相手ができてから、朝だろうが夜だろうが、おかまいなし。
ゾンビ相手にべらべら、べらべら、しゃべりまくり。
食事中に、そんなお力タイ話ばかり聞かされるほうは、も、消化不良になりそうだ。
ゾンビがうなづいて。
お父さんがやっと、満足そうにお味噌汁のなめこに集中しはじめて。
ようやく食卓に一瞬の沈黙。
(今だ!)
「望くん!」「あー、かまわん、かまわん」
あたしが声をかけたとたんに、お父さんがゾンビにむかって手を横にぶんぶんふった。
なにが、かまわないのよ。あたしは、かまうのよ。
「さっきのアレ…なに? ちょっとはひとの迷惑も考えてね。おかげであたし、目がさめちゃったのよ?」
「まあまあ、この子は」お母さんがおろおろ席を立ち上がる。
「ゆうべお話があったでしょ。気にしないで、望さん」
「いえ、すみません。おばさん」ゾンビがお茶碗をテーブルにおいて、
「きみももう、起きてる時間だと思ったんだ」
キミ……ね。
「ごめんなさいねっ。寝坊助で」
「そうなのよ」お母さんがホッとした顔で席にもどる。
ため息をついてあたしを見た。
「この子ってばもう、朝、全然ダメなのに。ほら、望さんいらしてから、パジャマでお食事とかできなくな…」「お母さん!」
やめてよ! やめてよ!
そんな…、あたしがゾンビのことを意識してるみたいなこと、ゾンビの前で言わないで!
ゾンビ相手にべらべら、べらべら、しゃべりまくり。
食事中に、そんなお力タイ話ばかり聞かされるほうは、も、消化不良になりそうだ。
ゾンビがうなづいて。
お父さんがやっと、満足そうにお味噌汁のなめこに集中しはじめて。
ようやく食卓に一瞬の沈黙。
(今だ!)
「望くん!」「あー、かまわん、かまわん」
あたしが声をかけたとたんに、お父さんがゾンビにむかって手を横にぶんぶんふった。
なにが、かまわないのよ。あたしは、かまうのよ。
「さっきのアレ…なに? ちょっとはひとの迷惑も考えてね。おかげであたし、目がさめちゃったのよ?」
「まあまあ、この子は」お母さんがおろおろ席を立ち上がる。
「ゆうべお話があったでしょ。気にしないで、望さん」
「いえ、すみません。おばさん」ゾンビがお茶碗をテーブルにおいて、
「きみももう、起きてる時間だと思ったんだ」
キミ……ね。
「ごめんなさいねっ。寝坊助で」
「そうなのよ」お母さんがホッとした顔で席にもどる。
ため息をついてあたしを見た。
「この子ってばもう、朝、全然ダメなのに。ほら、望さんいらしてから、パジャマでお食事とかできなくな…」「お母さん!」
やめてよ! やめてよ!
そんな…、あたしがゾンビのことを意識してるみたいなこと、ゾンビの前で言わないで!