『おばあちゃんの贈り物』-許嫁(いいなずけ)とか意味わかんない-
「お春!」
遠目にもカラフルな花柄ワンピースの沙月が、上機嫌で手をふっている。
渋谷のハチ公前なのに。
日曜日のハチ公前は、前ってどこ? と悩むほど待ち合わせのひとたちでいっぱいとはいえ。
「こういうダサイ場所、いやなんでしょ? もっとマシな場所にしてって、言ったらよかったじゃない、望くんに」
「あら。別に望さんと待ちあわせじゃないもの」
えっ?
「言ってなかったっけ? 望さんはね、もうスタジオに入ってるのよ。ここで待ちあわすのは、あたしとお春と…」
あたしと沙月と?
「お春のカレシでしょ?」
あたしのカレシ!?
だれ、それ。
「よっ!」
「わっ」
ただでさえ驚いていたのに、うしろから肩をたたかれて心臓が破裂。
とびすさったら目の前で、
「よっ。やっとかめやね、春加ちゃん」
鎖ジャラジャラ、グラサンぎらぎらの、あのマネージャーさん。タッチャンが笑っていた。
遠目にもカラフルな花柄ワンピースの沙月が、上機嫌で手をふっている。
渋谷のハチ公前なのに。
日曜日のハチ公前は、前ってどこ? と悩むほど待ち合わせのひとたちでいっぱいとはいえ。
「こういうダサイ場所、いやなんでしょ? もっとマシな場所にしてって、言ったらよかったじゃない、望くんに」
「あら。別に望さんと待ちあわせじゃないもの」
えっ?
「言ってなかったっけ? 望さんはね、もうスタジオに入ってるのよ。ここで待ちあわすのは、あたしとお春と…」
あたしと沙月と?
「お春のカレシでしょ?」
あたしのカレシ!?
だれ、それ。
「よっ!」
「わっ」
ただでさえ驚いていたのに、うしろから肩をたたかれて心臓が破裂。
とびすさったら目の前で、
「よっ。やっとかめやね、春加ちゃん」
鎖ジャラジャラ、グラサンぎらぎらの、あのマネージャーさん。タッチャンが笑っていた。