幸せの鐘
怖いけど蒼汰くんには知っててもらいたい。
「私ね‥」
今までの事を全部話した。
暴力の事も暴言の事も
あの日家を追い出された事も
黙って聞いてくれてるだけで嬉しかった。
変に慰められるのは逆に惨めに思うから
私は思い切って体にできてる痣を
少しだけ蒼汰くんに見せた。
眉間にシワを寄せてそっと痣に触れた
「これからは俺が杏を守る。
だから安心しろ。」
「蒼汰くーん‥!!!」
子供が泣くみたいにワンワン声を出して泣いた
こんなに今まで泣いたことなかったのに
詰まってた物がすべて吐き出せれた。
泣きつかれて眠ってしまった私が次の日
起きると明らかに自分の部屋じゃない
ベッドで寝てる。
そして、私の隣で私を抱きしめて
眠ってる蒼汰くん
ここまで運んでくれたんだ‥
重かったでしょ‥?
最初の頃なら恥ずかしくてだめだったけど
今は蒼汰くんの腕の中が安心する。
「おはよ杏。」
「おはよう蒼汰君。」
人生で初めてこんなに幸せな朝かも。。