幸せの鐘

ある日の放課後


迎えの車が待機してる場所に
向かっていると後ろから声をかけられた。





声をかけた人を見た瞬間
私の体が震え始めた。




「久しぶりね杏。」



「お母さん・・お父さん・・」




ニヤニヤしてる二人は鳥肌が立つくらい不気味




 
「あんたがこの前男と高級ブランドの
店に入っていったの見たのよ。

付き合ってんの?」




私は何も答えたくなくて黙ったまま。



「てめぇ聞いてんのか?」



お父さんが近づいてきて私は
後ろに後ずさりをした。



「私らはあんたの親なんだから
金の免除くらいしなさいよ。」




「わかったな?
明日用意しとけ。」




二人はそう言って帰っていった。




「杏様!」



「芳根さん・・」




いつも私を迎えに来てくれる
運転手さんの芳根さんが駆け寄ってきた。




「大丈夫ですか!?

何かありましたか?
いつもの時間より遅れてらっしゃったので
様子を伺いに・・」




芳根さんは私の体の震えを見て
すぐに私を車まで連れて行った。



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