幸せの鐘

「もしもし?


杏・・?来てないけど。。」




私の事を聞いてる。



麻友は電話を切って私を見た。



「蒼汰さんが杏を探してるって。」




「なんで・・?

別れてくれって言ったのは蒼汰くんだよ?」




「とりあえずいないって言ったから
今日は泊まってゆっくり考えな?」




麻友の優しさに甘えて
疲れてたのかすぐに眠りについた。






次の日麻友と一緒に学校に行って
普通に授業を受けた。



「今日はどうする?

親二人とも出張でいないから
来てもいいよ?」




でも麻友も和希くんと会う約束があるはず



それを邪魔できない・・



「大丈夫だよ!

ありがとね麻友。」




どこに行くかも言わないまま
麻友をわかれて学校を出た。




「あなた杏さんよね?」



後ろから誰かに話しかけられて
振り返ると、あの日蒼汰くんと
腕を組んで歩いてた女の人・・




「そうですけど。」



「蒼汰さんと別れてくれる?」



この人別れたこと知らないの?



「どうしてですか?」


この人なら理由を簡単に話すと思った。



「私達婚約するのよ。

だから、あなたみたいなガキが邪魔なの。」



「なんでそれを私に言うんですか?


婚約するって決まってるなら
わざわざ私に別れてくれる?って
言いに来ないですよね?

もしかして、手こずってるから
私の方に来たんですか?」




図星をつかれたのか狂気の顔をして
私を睨んでる。





「あなた、蒼汰さんとSEXした?」



この人何言ってんの?



婚約の話と関係ないじゃん。



「私は何回も抱かれたわよ?

一日に何回もね。
あなたがヤラせてあげないから
私とした時爆発したんじゃない?」




ヤラせてあげないから・・



それはそうかもしれない・・




蒼汰くんを拒絶してしまいそうで怖い




傷つく蒼汰くんの顔を見たくなかった・・




「確かにしてないです。

だけど、婚約とその話しは関係ないです。
私は蒼汰くんと別れるつもりもないし
あなたみたいな人に蒼汰くんを
渡したくない。」




これが私の本心。




この人は蒼汰くんの外見しか見てない




蒼汰くんの本当の優しさを知らない
かわいそうな人。




「失礼します。」



私はその足でマンションに向かった。




玄関の鍵は開けっ放し。




リビングのドアを開けると
蒼汰くんがソファに座って
天井をぼーっと見てる。




「蒼汰くん。」



「杏。。」



立ち上がった蒼汰くんは
私の方に来て強く抱きしめた。



「別れてくれって言われても
私意地でも別れない。

ずっとずっと蒼汰くんから離れない!」



涙で顔がぐちゃぐちゃだけど
やっと本音が言えた。




別れてくれって言われてやけになってた。




「杏ごめんな・・


俺馬鹿だった・・
杏を守れる方法がこれしかないって思って。」



「あの女の人の事だよね?

さっき学校に来たよ。
そこでいろいろ言い返しちゃって・・」



「さすが俺の女だな。」



蒼汰くんは私の頭を撫でた。



「何があったのか教えて?」



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