幸せの鐘
車の中はあれから無言。
しばらく走ってどれくらいたったかな?
車が超高級マンションの前に停まった。
「若着きました。」
運転手さんの言葉で目をつぶっていた
蒼汰君が目を開けた。
運転手さんは私の方のドアを開けてくれた。
「杏行くぞ。」
「あの!ここは・・?」
「あぁ、俺の家。
寒ぃから早く来い。」
スタスタと歩き始めた蒼汰君の後を
急いで追った。
エレベーターに乗ると最上階のボタンを押した
蒼汰君ってほんと一体何者・・?
年齢も見た目からして20代前半だし
あのお店の人からも慕われてたし
それに、“若”って言葉がすんごい気になる
エレベーターが止まって降りると
そこにはドアが一つだけ。
うっわ。この階は蒼汰君の部屋だけなんだ
中に入ると黒と白が基調になってる
シンプルでおしゃれな部屋
「杏の部屋に案内する。」
「私の部屋!?
あの!私状況がよくわかりません・・」