幸せの鐘

「頼む。その子にだけは
これ以上手を出すな…」




「裏切ってても大事な若の
女を守るんだな。」




「その子は…新崎の宝だ。
杏ちゃんに手を出した奴らは
新崎…いや、蒼汰に消される。


それだけは覚悟しとけ!!」




口の中も切れてて口が開けれない




悠馬くんにもう何も言わないで
悠馬くんも殺されちゃう…



そう言いたくても言えない




男たちの意識を自分に向けるために
悠馬くんは挑発的な態度をとってるんだ





「お嬢様!!

新崎の若頭がきました。」



「思ったより早かったわね。」




遠くから蒼汰くんの声が聞こえてくる




和樹くんもいる…




「杏!」




ドアが思いっきり開いて
蒼汰くんと目があった。




その瞬間、蒼汰くんと和樹くんの
放ってるオーラが変わった。




「てめぇら、命はねぇと思え。


悠馬。お前のことは全て片付けてからだ。」




その言葉が合図かのように
蒼汰くんと和希君が10人以上を
二人で相手をしはじめた。




だけど、二人の強さは圧倒的だった




それが予想外だったのか女は
ガタガタと震え始めた



だって今のこの部屋は地獄絵図だから。




もう全員が虫の息




「俺は女だからって命を取らないって
甘え考えはないんだ。


今回、杏をこんな目にあわせたこと
それと、俺の大切な仲間を
汚い手で操ってたこと。

全てお前に背負ってもらわなきゃな?」





「杏ちゃん、目をつぶって。」




和樹くんに優しく言われて
ギュッと目をつぶった。




骨が折れる音と誰かが倒れる音




目を開けるとあの女の首が
変な方向を向いて倒れてた




すぐに蒼汰くんが駆け寄ってきてくれて
ロープを外してくれた




悠馬くんは和樹くんに支えられながら
立ち上がってる。




「悠馬、お前何したかわかってんだよな?

ちゃんとケジメをつけろ。」




「わかってる…」





けじめってなに?!




違う…悠馬くんは…




「蒼汰くん…待って…

悠馬くんは…」




「心配すんな。

悠馬のことは全て調べて妹も無事
保護してある。

ただ、今回はそれは抜きにしなきゃならない。
俺の彼女の杏をこんな目に合わせたんだ。」



「でも、悠馬くんは最後まで
守ってくれようとした…

だから…お願い…
悠馬くんを許してあげて?」




悠馬くんは完全に裏切ったわけじゃない




家族を守ったんだよ。




当たり前のこと。





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