幸せの鐘

「杏と出かけるの久しぶりだから
超楽しみにしてた!」




「私もー!!」






朝から麻友と合流して
ショッピングセンターに来た。



蒼汰くんからこんなに使えないよって
くらいのお金を毎月もらってて
どこにも出かけないから将来のために
貯金してる中から持ってきた。





私だけは金銭感覚普通でいようって
心の誓ってる。




だって蒼汰くんが値段を見ながら
買ってることって一度も見たことがない。





久しぶりに服を買って
護衛に付いてきてくれた組員さんも
一緒にお昼を食べた。




「あれ?新崎の奥さんじゃないですか。」



声をかけられて振り向くと
確か蒼汰くんが三鷹って呼んでた人。



「こんにちわ。」



「お久しぶりですね。

どうしても奥様に聞いてみたいことが
あったんですけど。
新崎の何がよくて結婚されたんですか?」




やっぱり私この人苦手だ・・




この人がどうしても蒼汰くんの
味方だとは思えない




「一番は優しさです。

私を地獄から連れ出してくれたんです。」



「へぇ〜

でも、新崎は奥様が思ってるような
素晴らしい奴じゃないですよ。」



「三鷹の若。

杏さんに失礼です。若にも。
身分をわきまえてください。」




組員さんが止めに入ってくれて
あの人はいなくなった。



「杏大丈夫?」



「うん・・」



「杏さん、この事は私どもから
若にお伝えしておきます。」



「わかりました・・」



固まって動けない・・



最後に私に見せた不気味な笑みが
すごく怖くて・・
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