幸せの鐘

麻友と夜ご飯を一緒に食べた後
部屋でぼーっとしてた。




「杏!!」




玄関からすごい音がしたと思ったら
蒼汰くんがすごい勢いで
部屋に入ってきた。




「話は聞いた。

嫌な思いさせたな・・」



「蒼汰くん、あの人と何かあったの?」



「・・・・かなり昔な。

俺と悠馬と和希と三鷹は高校の頃
暴走族のチームを率いてた。

俺が総長で三鷹が副総長。
初めは俺たちの関係は良かった。
でも、ある抗争をきっかけに
俺、悠馬、和希、と三鷹で
意見が割れたんだ。

抗争はやめると決めた俺を無視して
あいつは、少人数の下っ端を連れて
敵陣に乗り込んだ。
結果は惨敗。

俺はあいつを許せなかった。
だから・・」



「もう話さなくて大丈夫。。」



「元々親父の代から三鷹とは
同盟を組んでいたから俺が原因で
同盟を破棄することはできなかった。」





そうだったんだ・・



あの人の目は私を憎しみの目で見てた。



蒼汰くんに手は出せないから
私に矛先がきた。




「三鷹の事は新崎で対処する。

ごめんな・・」



「もう謝らないで?

蒼汰くんは間違った事なんてしてない。
間違ったことしてないなら
謝る必要なんてないよ。」



そう言うと蒼汰くんは私を抱きしめた。




「いつのまにそんなに強くなった?」



「蒼汰くんのお陰だよ?」




「杏、ありがとな。」




だけどこの件は簡単に終わらなかった。
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