幸せの鐘
ーー蒼汰ーー
「クソっ!
どうなってんだよ!」
「落ち着け和希。」
「蒼汰、杏ちゃんから着信が入ってる。」
マナーモードにしてたから気付かなかった。
「杏?どうした?」
話しても向こうから杏の声が聞こえない。
「杏!?」
俺の焦り方に悠馬と和希が近づいてきた。
俺はスピーカーにして二人にも聞かせた
すると電話の向こうから男の声が聞こえてきた。
『兄貴確保した。
今から組につれていく。
三鷹って言ったらビックリしてたよ。
ま、盗聴器の事は新崎には伝わって
ないから大丈夫だよ。』
三鷹。。
今回の事はすべてあいつが黒幕?
この電話の男は杏が言っていた
変な時期の転校生だろう。
“雰囲気が怖い”
そう言っていた杏の言葉を思い出した。
三鷹には確か弟がいたはず。。
それに盗聴器。。
俺はスーツの内ポケットに入れておいた
あのボールペンを取り出した。
悠馬に目で合図をして
盗聴器を見つける機械を持ってこさせた。
激しく反応する機械。
「蒼汰それどこで?」
「杏の筆箱の中に知らないボールペンが
入ってたって言ってたんだ。
ここで勉強したときに間違って
入れて帰ってきたかもしれないって。」
「それが情報漏れの原因だな。」
俺はこのペンを壊そうと思ったが
逆に使えるかもしれない。
これで、あいつをおびき出す。
二人に目で合図をした。
ここからが俺たちの逆襲だ。