幸せの鐘


あの事件から1週間



私の怪我は結構重傷だったみたいで
まだ折れてる肋骨が痛む。




あの2日後、一ノ瀬くんが蒼汰くんと
一緒に家に来て謝ってくれた。




三鷹がどうなったのか私は聞かないほうが
いい気がして蒼汰くんにも聞いてない。





私が見る限り一ノ瀬くんは無傷だった。






「明日零が治り具合見せてほしいって。」



「わかった。」



「杏?」



「何?」



「俺と結婚して後悔してねぇ?」




やっぱり蒼汰くん気にしてたんだね。。




だけど私の答えは決まってる。




「後悔なんてしないよ。

これから先何があっても蒼汰くんと
結婚した事を後悔することなんてない。」



「ほんとか?」




「ほんとだよ?
だから、そんな顔しないで?」




申し訳ない表情で私を見てる蒼汰くんの
頬を手で挟んだ。




「私は蒼汰くんが大切だから
今こうして蒼汰くんのそばにいるの。

後悔してるなら今頃もうここにはいない。
蒼汰くんが私を救ってくれて
蒼汰くんの優しさもお義父さんお義母さんの
優しさもみんなの優しさをたくさんもらった。

だから、今度は私が蒼汰くんを支えたい。

これが私の今の気持ち。
だから自分を責めたりしないで?」




私が言い終わると蒼汰くんの目から
涙がこぼれた。



すごく綺麗な涙。



ずっと責めてたんだよね・・



自分のせいだって責めてたんだよね・・

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