無口な彼の熾烈な想い
「今日はご馳走様でした。お料理もデザートも想像以上のクオリティで大満足でした。絶対に流行ると思います」

ルイと綾香、サーブに付き合ってくれた三崎にお礼を言うと、鈴は絢斗のRV車に乗り込んだ。

フラケンからの帰り道は、言わずと知れた絢斗王子の馬車で送迎。

それは果たしてデフォルト・・・なのか?

当然のように助手席のドアを開けられて、なんとなく乗り込んでしまった鈴は間違いなく流され・・・いや絆されている。

「お目当ての動物と触れあえる動物園やアニマルカフェとコラボしてワゴンで買えるB級グルメのようなものが販売できないかとも考えている」

「えっ?それ素敵。今日のフクロウパンとかミミズクケーキとか鷲のラテアートとか、動物園園やアニマルカフェでゲットできるなら通うかも?」

「ついでに生産農家の紹介とか、野菜通販の仲介とか、現状に困っている人達の助けにもなりたい」

外出自粛で外食産業だけでなく、そこに卸していた生産農家も打撃を受けている。

そういった方々の助けになれるのならなんて喜ばしいことだろう。

「美味しいお野菜が手軽に手に入るなら嬉しいよね」

送料やら、手数料やら、現実はそううまくはいかないかもしれない。

しかし、旅行やお出かけができない分、何らかの娯楽や楽しみにお金をかけてもよいと思うのだ。

ネットで繋がるこの時代、フラケンという店を通じて人と人との繋がりも広がっていくといいな、と鈴は思った。

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