無口な彼の熾烈な想い
傷心ワンコは腹黒狼なだけでなく、ただの思春期の猿と化した・・・。
初めて結ばれた二人は、痛みやぎこちなさを乗り越え、共に幸せな一夜を過ごすはずだった。
まあ、幸せな一夜であったことは否定しない。
しかし、愛しさを自覚したばかりの傷心ワンコは、愛するものをその腕に抱く幸福感に抗うことができず、戸惑いながらも拒絶することのできない鈴の優しさにつけこんで、何度も何度も愛の証明を彼女に刻み込んだ。
それは愛。
しかし行き過ぎた愛は、愛する番の心身を消耗させる・・・。
「鈴、ごめん。やり過ぎた」
「何がごめんよ。本当に反省してるの?」
繰り返される欲望の解放の果てに、ようやく迎えた賢者タイムで、二人は対称的なリアクションをとっていた。
落ち込む絢斗の隣で苦言を呈する鈴。
端から見れば、行き過ぎた絢斗がフラれてしまう構図だ。
「鈴も初めてなのに止められなかった。反省してる。嫌いになったか?」
先ほどの飢えた狼のような情熱的な一面はなりを潜め、シュンと首を竦める絢斗は叱られたワンコに戻っていた。
「驚いたけど、絢斗さんにもこんな一面があったんだと不覚にもときめいたわ。だから許してあげる」
クスリと笑って絢斗の頭を撫でる鈴に安心して絢斗は嬉しそうに顔を上げた。
「それならもう一回・・・」
「ばか、どんだけ絶倫なの?もうこれ以上は無理だから」
ふざけ合うこんな一時すらいとおしい。
絢斗は鈴の身体を抱き締めると、ゆっくりと目を閉じた。
「おやすみ、鈴。俺に幸せをくれてありがとう」
「どういたしまして。こちらこそ最高のクリスマスプレゼントだったわ」
鈴の本音か嫌味かは判断しづらかったが、おそらくどちらも正解なのだろう。
絢斗は鈴の暖かさを心身に刻み込みながら、夢の世界へと落ちていった。
初めて結ばれた二人は、痛みやぎこちなさを乗り越え、共に幸せな一夜を過ごすはずだった。
まあ、幸せな一夜であったことは否定しない。
しかし、愛しさを自覚したばかりの傷心ワンコは、愛するものをその腕に抱く幸福感に抗うことができず、戸惑いながらも拒絶することのできない鈴の優しさにつけこんで、何度も何度も愛の証明を彼女に刻み込んだ。
それは愛。
しかし行き過ぎた愛は、愛する番の心身を消耗させる・・・。
「鈴、ごめん。やり過ぎた」
「何がごめんよ。本当に反省してるの?」
繰り返される欲望の解放の果てに、ようやく迎えた賢者タイムで、二人は対称的なリアクションをとっていた。
落ち込む絢斗の隣で苦言を呈する鈴。
端から見れば、行き過ぎた絢斗がフラれてしまう構図だ。
「鈴も初めてなのに止められなかった。反省してる。嫌いになったか?」
先ほどの飢えた狼のような情熱的な一面はなりを潜め、シュンと首を竦める絢斗は叱られたワンコに戻っていた。
「驚いたけど、絢斗さんにもこんな一面があったんだと不覚にもときめいたわ。だから許してあげる」
クスリと笑って絢斗の頭を撫でる鈴に安心して絢斗は嬉しそうに顔を上げた。
「それならもう一回・・・」
「ばか、どんだけ絶倫なの?もうこれ以上は無理だから」
ふざけ合うこんな一時すらいとおしい。
絢斗は鈴の身体を抱き締めると、ゆっくりと目を閉じた。
「おやすみ、鈴。俺に幸せをくれてありがとう」
「どういたしまして。こちらこそ最高のクリスマスプレゼントだったわ」
鈴の本音か嫌味かは判断しづらかったが、おそらくどちらも正解なのだろう。
絢斗は鈴の暖かさを心身に刻み込みながら、夢の世界へと落ちていった。