無口な彼の熾烈な想い
消えない過去
「はあ~。やっぱり猛禽類は最高ですね」
「ふっ・・・少なくとも俺の姉さんにはフクロウの飼育や管理ができそうもないことはわかった」
フクロウゾーンを堪能して、建物を出たところにあるスーベニアショップに立ち寄っていた鈴と絢斗は、フクロウのぬいぐるみを手に取りながら、楽しげに笑っていた。
「これ、欲しいのか?」
「どうしてもって程ではないけど可愛いなって。クリニックに飾ったら子供たちが喜びそう」
デフォルメされたシロフクロウの顔が特徴的なぬいぐるみは確かにインパクトがあった。
「入場券のお礼にプレゼントするよ」
「あ、これはお礼のお礼の無限のループフラグじゃないですか。自分で買います」
わずかに口角を上げた絢斗は、鈴に背を向けて歩き出した。
しかし、絢斗が数歩進んだところで突然立ち止まってしまったため、慌てて追いかけようとした鈴はその広い背中に顔をぶつけることになった。
「あれえ、ケントちゃんだよね?久しぶり」
「・・・」
「あ、本当だ。ケントちゃんだ」
鈴がぶつけた鼻を擦りながら、絢斗の隣に進み出ると、正面には絢斗と同じ年頃と思われる男女が小さな子供を二人連れて立っていた。
「ふっ・・・少なくとも俺の姉さんにはフクロウの飼育や管理ができそうもないことはわかった」
フクロウゾーンを堪能して、建物を出たところにあるスーベニアショップに立ち寄っていた鈴と絢斗は、フクロウのぬいぐるみを手に取りながら、楽しげに笑っていた。
「これ、欲しいのか?」
「どうしてもって程ではないけど可愛いなって。クリニックに飾ったら子供たちが喜びそう」
デフォルメされたシロフクロウの顔が特徴的なぬいぐるみは確かにインパクトがあった。
「入場券のお礼にプレゼントするよ」
「あ、これはお礼のお礼の無限のループフラグじゃないですか。自分で買います」
わずかに口角を上げた絢斗は、鈴に背を向けて歩き出した。
しかし、絢斗が数歩進んだところで突然立ち止まってしまったため、慌てて追いかけようとした鈴はその広い背中に顔をぶつけることになった。
「あれえ、ケントちゃんだよね?久しぶり」
「・・・」
「あ、本当だ。ケントちゃんだ」
鈴がぶつけた鼻を擦りながら、絢斗の隣に進み出ると、正面には絢斗と同じ年頃と思われる男女が小さな子供を二人連れて立っていた。