央弥は香澄のタオルしか受け取らない
✳︎
「いいな」
海野香澄はため息をついた。
今朝もクラスの女子がタオルの告白で両思いになったとひと騒ぎあった。
彼はサッカー部、部活の終わりにタオルを渡して彼は受け取ったそうだ。
タオルの告白か。
いつかは自分もと誰しもが思う。
(もちろん、私だって⋯⋯ )と香澄も思っている。
東堂央弥先輩。
香澄は一つ上の凛々しい彼の顔を思い浮かべた。
剣道部の主将をつとめる央弥は、かなり堅物だと言われていた。
央弥の両親は剣道の道場を経営している。
警察官の指導道場にもなっているそうだ。
真面目で厳しい父親にしごかれて育ち、央弥自らもその後継を当然のように望んでいるという。
央弥はすらりと背が高く、体型は細身で筋肉質、剣道では隙のない立ち居振る舞いで迫力がある。
我が道を行く、よく言えば男らしい、やや真面目すぎるタイプ。
女生徒にも素っ気ない。
普段は無口で落ち着いていて、誠実な人柄だ。
そんな硬派なタイプなのに⋯⋯ 。
本人の性格にかかわらず、央弥はモテる。
容姿や雰囲気がいわゆる今風のイケメンだったのだ。
短髪に整った髪の少し長めの前髪が、防具を脱いだとき、ハラリと形の良い精悍な額にかかる。
額の下には、すっと切長の鋭い目に、涼やかな凛々しい眉、現れた耳は品よくすっきりと形良い。
真面目そうな性格をそのまま現したような清潔そうな鼻筋と口元。
薄めの形良い唇は、性格に反して甘い雰囲気が漂う。
身長が高く、すらっとした鍛えられた体格の道着から見える首筋に光る汗は、色気を感じさせてしまう。
キリッと背筋の伸びた姿勢は爽やかで、長い手足、竹刀を握る筋の浮き出た手の甲と、手首の骨は力強く、道着に続く二の腕は嫌でも女子の目を引く。
央弥は確かに堅物だが、彼は付き合ったら必ず誠実に違いない。
それにカノジョの前ではどうなるのかと、誰でも興味が湧く。
「いいな」
海野香澄はため息をついた。
今朝もクラスの女子がタオルの告白で両思いになったとひと騒ぎあった。
彼はサッカー部、部活の終わりにタオルを渡して彼は受け取ったそうだ。
タオルの告白か。
いつかは自分もと誰しもが思う。
(もちろん、私だって⋯⋯ )と香澄も思っている。
東堂央弥先輩。
香澄は一つ上の凛々しい彼の顔を思い浮かべた。
剣道部の主将をつとめる央弥は、かなり堅物だと言われていた。
央弥の両親は剣道の道場を経営している。
警察官の指導道場にもなっているそうだ。
真面目で厳しい父親にしごかれて育ち、央弥自らもその後継を当然のように望んでいるという。
央弥はすらりと背が高く、体型は細身で筋肉質、剣道では隙のない立ち居振る舞いで迫力がある。
我が道を行く、よく言えば男らしい、やや真面目すぎるタイプ。
女生徒にも素っ気ない。
普段は無口で落ち着いていて、誠実な人柄だ。
そんな硬派なタイプなのに⋯⋯ 。
本人の性格にかかわらず、央弥はモテる。
容姿や雰囲気がいわゆる今風のイケメンだったのだ。
短髪に整った髪の少し長めの前髪が、防具を脱いだとき、ハラリと形の良い精悍な額にかかる。
額の下には、すっと切長の鋭い目に、涼やかな凛々しい眉、現れた耳は品よくすっきりと形良い。
真面目そうな性格をそのまま現したような清潔そうな鼻筋と口元。
薄めの形良い唇は、性格に反して甘い雰囲気が漂う。
身長が高く、すらっとした鍛えられた体格の道着から見える首筋に光る汗は、色気を感じさせてしまう。
キリッと背筋の伸びた姿勢は爽やかで、長い手足、竹刀を握る筋の浮き出た手の甲と、手首の骨は力強く、道着に続く二の腕は嫌でも女子の目を引く。
央弥は確かに堅物だが、彼は付き合ったら必ず誠実に違いない。
それにカノジョの前ではどうなるのかと、誰でも興味が湧く。