パリへ追いかけてまで

「父さんは、そこまで考えて許したんだ〜」

「母さんが寂しがると思うから、お前たちも気にかけてやってくれないか?」

「「わかった。」」

「父さんから、人事部へ話してもらえる?」


「あぁ。明日、入社辞退すると伝えるよ…」

「そう言えば、今、母さん1人だろ? 
お土産の寿司握って貰って早めに帰ろう?」と昴が言うと

「そうだなぁ〜。 母さんの事だから、
あまりご飯で炒飯でも作って1人で夕飯食べてるな。
みんなで食ったら帰るか!
亮には、日曜日にみんなへ入社しない説明をさせる」

「母さんが、泣いたら父さん頼むよ!」

「父さん。マジ頼むわ。
母さんに泣かれるとホントにこっちが、
ツライ気持ちになるからさ〜」

「わかってる…。 
一番母さんを泣かせてツライのは亮だと思うぞ…。」

健太郎は、なんだかんだと言いながら、
弟思いの樹と昴に 温かい気持ちになった。

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