パリへ追いかけてまで

「佐藤君、あのね、急だからダメモトなんだけど、
一応、君のお父さんも同じ業界だし、
パリにあさって戻る前に、是非お会いできたらと思っているんだけど、お父さんに聞いてもらえる?」

「はい。今、電話します。

〜…〜…
「なんだ? 亮かあ? 受賞式終わったのか?」

「うん。終わったんだけど、プレゼンターが、斉藤 拓海さんで、斉藤さんが都合が良ければ父さんと会いたいそうなんだけど、
今日か明日で空いてる時間ある?」

「じゃあ、申し訳ないんだがこれから、2時間くらいなら大丈夫なんだが、
昼メシでも、ご一緒にどうだろう?」

「ちょっと待って、 
斉藤さん!これからなら2時間くらい、
空いてるらしいのですが、
お昼を食べながらならと…」

「じゃあ、お願いします!」

「父さん、じゃあ、これからどこへ行けば良い?
あぁ、あのいつものお寿司屋さんね〜。
多分…、タクシーで20分くらいかな?
うん。わかった。じゃああとでね。」


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