パリへ追いかけてまで
「斉藤さん。 亮は今まで親に反抗もなく流されてというか、自己主張をしない子でした。
急に、パリの斉藤 拓海さんの元で、勉強したいと言い出して、もう採用されたと事後報告でした。ハハハ。
私は、亮は、日本へ帰って来ないかもしれないと思っています。 
どうか一人前になるまで、
ヨロシクお願いします。」

健太郎は、テーブルに手をつき、頭を下げた。

「はい。亮君を責任を持って、お預かり致します。
今日、お父さんにお会いしたかったのは、
採用の課題の製図や今回のコンクールの製図を見て、
彼はかなりの才能があると思います。
私の事務所で彼が世界的に活躍すると
彼の建築家としての良い時期に 
お父さんの会社でお役に立てないかも知れないとお伝えしたかったんです。  
すみません…」

< 256 / 391 >

この作品をシェア

pagetop