パリへ追いかけてまで

「今の現場なんか、確かクローバー商事の社宅？　があるアパルトマンだから、
すぐ近くなんだわ〜！
晶！　そうだ！忘れてた！　そのアパルトマンは一軒は、斉藤さんの自宅なんだけど、
もう一軒は、大学の時の　池谷覚えてる？
池谷が、奥さんと社宅として春から入居するんだわ！」

「え？　池谷？　工学部の池谷？　アレ？
そういえば…
うちの会社の企画営業部に佐々木ってのが、
結婚して、池谷になった子がいるわ！　

その子は新人なのにヒット商品出してエース級よ〜！　　

じゃあ、あの大学の学食でいつも一緒に食べてた池谷の彼女が…奥さん？
クローバー商事の社員で、エース？　え〜！」

「ビックリだろ？　斉藤さんの話しだと
池谷の奥さんとお前の社長の奥さんが友達で〜
奥さんがパリで住んでいたアパルトマンを
たまたま、ル　トレッフルのオーナー夫妻の紹介した斉藤さんが、
リフォームする事になって〜
池谷が斉藤さんの改築したアパルトマンを見たいと言ったのがきっかけで、
パリに新婚旅行に来た時に斉藤さんと食事して、意気投合したらしい。

それで、ウチの事務所に入る事になったんだよ！
世間は狭いよなぁ〜 」

「奥様と佐々木さんが、友達？……
オイ、亮、　もしかしてさ〜　
学食で池谷と彼女、森と彼女の4人で食べてたよなぁ〜
池谷の奥さんの友達が社長の奥さんなら、
社長の奥さんは、森の元カノだなぁ〜
森と別れてから彼女は大学辞めたとか留学したとか
言ってたもんなぁ…
森の元カノが　リサさんなんだ〜………」

「え！　森の元カノ？　あぁ。でもさ、
リサさんスゲェ　美人だぞ！　
俺がこっち来てから何回か会ってるけどさ〜
森の元カノって
そんな感じじゃあなかったと思うけど…」

「奥様、イヤ、リサさんは変装してたらしい。
ストーカーとかあったらしいから。」

「そうだったんだ。　ま！　
今は社長の岡田さんと仲睦まじいご夫婦だから、
そっとしておこうぜ！」

「そうだな！　そうだよ！　うん！」