パリへ追いかけてまで
拓海の思い
その頃、斉藤拓海は、イギリスの仕事の最終段階で、イギリスとパリを行ったり来たりしていた。
年末ギリギリには、完了するだろうと、考えていた。
今も、イギリスからパリへ向かう飛行機の中で仕事をしながら、
先日、日本から現れた亮の事を思い出していた。
病院の課題。
コレは俺が大学生の時、落選したコンクールのテーマだった…
審査員に、患者や医療従事者に対して思いやりが全く感じられないと酷評された。
今なら、分かる。
でも、あの時はわからなかった。
ただ、カッコイイ建物を建てれば良いと思ってた。