クズ男の独占欲に溺れて。
──遡ること10分前。
「今日は12月1日だから、1番と12番の人よろしくな」
出席番号、1番の絢瀬 サナと12番の如月 遥は今度使う資料をまとめる仕事を任せられた。
本当にたまたまで、予想外で、まさかこいつと同じ空間で作業することになるなんて思ってもみなかった。
来ないと思ったし、逆に来なくていいと思ったけれど、私の予想を裏切ってこいつは来た。
意外だけれど、正直迷惑極まりない。
7枚ずつ束ねて、左上をホチキスで留める簡単な作業を淡々とこなす奴を横目に見たあと、私も作業を開始する。
私が無視をしたからだけど、ふたりの空間で静寂が流れているとかなり居心地が悪く、早く終わらせたい一心で作業を進めていた。
「絢瀬って俺のことそんなに嫌いなの?」
嫌いというよりは苦手のほうが正しいのかもしれない。嫌いになるほど関わったこともなければ、話すのも今日がきっと初めてだろう。
「今日は12月1日だから、1番と12番の人よろしくな」
出席番号、1番の絢瀬 サナと12番の如月 遥は今度使う資料をまとめる仕事を任せられた。
本当にたまたまで、予想外で、まさかこいつと同じ空間で作業することになるなんて思ってもみなかった。
来ないと思ったし、逆に来なくていいと思ったけれど、私の予想を裏切ってこいつは来た。
意外だけれど、正直迷惑極まりない。
7枚ずつ束ねて、左上をホチキスで留める簡単な作業を淡々とこなす奴を横目に見たあと、私も作業を開始する。
私が無視をしたからだけど、ふたりの空間で静寂が流れているとかなり居心地が悪く、早く終わらせたい一心で作業を進めていた。
「絢瀬って俺のことそんなに嫌いなの?」
嫌いというよりは苦手のほうが正しいのかもしれない。嫌いになるほど関わったこともなければ、話すのも今日がきっと初めてだろう。