ライオン少女は宇宙系男子を落としたい




「ただいま~」

「おかえり、ご飯温めたから早く食べなさい」

「はーい」



8時になるギリギリに家に着いた。
急いで着替えて晩ご飯に手をつける。



「今日遅かったな。どこ行ってたんだ?」



すると、目の前でビールを飲んでいる父が尋ねてきた。



「……友達の家」

「こんな遅い時間まで? 遠くまで行ったのか?」



私の父は、私が夜遅くまで外出していると毎回問い詰めてくる。

一人娘ってのもあって、あまり1人で夜道を歩いてほしくないからだそう。



「もういいじゃん。ママに連絡してたんだから」

「……遅くなるなら迎えに行ったのに」



面倒くさそうに答えると、しょんぼりした顔でビールをゴクリ。



「それで……男? 女?」

「何が?」

「友達。男の子か女の子か」



うげ、最悪。
いつも友達と遊ぶ時は女の子って言ってるんだけど……。

私、嘘ついたらすぐ顔に出ちゃうんだよね……。



「…………男の子」



数秒間置いて少し俯いて答えた。

どうしよう、怒られるかな……。



「……もしかして彼氏か?」

「いや、まだ友だ……」



否定しながら顔を上げると、今にも溢れそうな潤んだ瞳と目が合った。
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